メガヒヨの生息日記

メガヒヨ(観劇、旅行、鳥好き)のささいな日常

2022夏Broadway 5日目火曜日

2022年10月10日 | NEWYORK

無事陰性証明も出て帰りの飛行機に乗れることになった。

控えていた外食でもしようかと思ったけど、それにこの円安物価高でパンケーキでも食べに行ったら軽く5000円以上はかかる。
それだったら日本で美味しいうなぎやお寿司が食べられるなぁと思い、万一の隔離に備えて持ち込んでいた食料を消費することに。



残された枠は火曜ソワレと水曜マチネ・ソワレ。
月曜日の検査で陽性ということになったらチケットが無駄になってしまうので、まだ購入していなかった。
Box Officeが開くのは10時なので、その前にお土産の調達にいくことにした。アッパーウエストにあるFairwayへ。
サラベスのジャムを10本ほど購入する。(無茶苦茶重い)

 

ホテルに荷物を置いてからチケットを買いに劇場街へ。
まず向かったのはMJ上演中のNeil Simon劇場。
水曜日の夜の締めにMoulin Rouge!にしたかったので今夜のチケットを希望と言ったら、Sold Outとのことだった。
月曜の夜にネットでリセールしかないのは確認していたけれど、結構当日券が出てくるものだと思い込んでいたので想定外だった。

というわけで水曜夜のチケットを買うことにした。

179ドルの席を勧められたけど、E列パーシャルビューで127ドルの席があったのでそちらにした。

多分マイケルは真ん中でしか踊らないと信じて。

それからInto The Woods上演中のSt. James劇場へ。
こちらも今夜のチケットは完売。水曜マチネを購入。
J列下手15番(中央列から8番目)を199ドルにて。

そしてMoulin Rouge! The MusicalのAl Hirschfeld劇場にて今夜のチケットを購入。
J列センター106番を199ドルにて。

3年ぶりにNew Yorkに来て変わったことといえば、チケット業者にTicket Geekが参入して幅を利かせているということ。
Moulin Rouge!とInto the Woodsがそうだった。
この業者の嫌なところって、ネットで購入時に席番がはっきりわからないこと。(列とセンター・上手・下手位までは表示される。)
20年以上前に日本がちけっとぴあ店頭売りメインだった頃、テレチャージやチケットマスターの席を選べるシステムに感動したものだけれど、なぜか退化している現状にがっかり。

それでも希望のショーをそれなりに良い席でもれなく観られることに安堵。
ようやく観光らしい観光ということでメトロポリタン美術館に向かう。

劇場街からMetに向かうには、Times Square駅から地下鉄で81st駅か86st駅で降りてセントラルパークを横断するのが早い。
乗るべきは各停のC線なのだけれど、メガヒヨはうっかり急行のA線に乗ってしまった。
だってだって、1・2・3線は1が各停で2・3が急行じゃん。そしたらついA線が各停でC線が急行とか思っちゃうてば。

そんな訳で59st Columbus Circle駅を発車した後、125st駅まで乗り続けてしまったのであった。
このうっかりさんを通称、A列車で行こう(Take the 'A' train)と呼んでいる。
なぜなら過去(2014年)にも同じことをやらかしているからだ。
その時は125st駅で降りて、ニックくんがツアー中なのをいい事にここら辺に住んでいるんだ~とうろうろした。
それも良き思い出ですな。いや、学習能力なさすぎ。New York 21回目なのに。

閑話休題
125st駅から81st駅まで下りセントラルパークを横断してようやくメトロポリタン美術館に到着した。


チケットを購入する。30ドル。初めて来た1999年は寄付推奨額が8ドルだったなぁと思い返す。
まぁ数々の美術品を保持するためにはお金が掛かるものね。
 
なお旅行当時(2022年8月)は日本語の場内案内が消えていた。確かに日本人は来れていないし仕方ない。
今後復活してほしいけど、円安で大勢気軽に来られないからどうだろう。

ここに来たのは何度目になるだろうか。数えてないけど東京国立博物館より多く来ているのは確か。
今回はリーマン・トリロジーで知ったRobert Lehmanのコレクションを見てみようという目的があった。



 
吹き抜けを囲むように作品が並ぶ。紫外線とか大丈夫なのかな?
 
ドクロとかダークな絵が目につく。
もし限られた枚数しか買えないのなら自分はこんな暗い絵はパスだけど、お金がいっぱいあれば色々コレクションしたくなるんだろな。
 

教科書でみたことのある絵。これもボビーが買ったのかな?すごい目利きだ。
...と、ゴーゴーを踊るロバート・リーマン役のアダム・ゴドリーさんの姿が目に浮かんだ。


他には特別展としてKIMONO STYLEが開催されていた。
 
伝統的なものから近代デザインの着物が並ぶ。
 

森英恵さんデザインの着物ドレスも展示されていた。
こちらを拝見したすぐ後に訃報を知った。御冥福をお祈り致します。
 
他にはアジア諸国の展示をのんびりと回る。
こちらは中国の十二支の神様。ついつい、子丑寅卯辰巳~と唱える様に数えてしまう。
 
これは「王家の紋章」でキャロルがぶっ壊したアッシリアの像だよね。
 
 
あ、これこれ! メガヒヨが富豪になったとしたら買いたい油絵がこんな感じ。
美術館の絵でいっぱい細かい絵が描かれていてお得!! (こんな発想な限りお金持ちにはなれません)
 
あとはちょっと変わった展示として、古代の彫像が色のついたオリジナルの状態だとどんな感じかってのをやってた。

ふーん...。


ほう。こんな感じだったんだ...。
てか、どっかの村祭りの山車にこういう像がのってたりするよねぇ。
白い大理石がむき出しになった方が神聖に感じるといったら、身も蓋もない。

あ、でもこの像の色彩はいけてる! なんかミケランジェロのバチカンスイス衛兵みたい!
古代にこんなデザインの服があったんだ。
 

さて。METから戻り一休みしたらMoulin Rouge!のお代わりへ。本日も19:00からの開演。
というか19:00始まりって増えたね。

 
今回はJ列なので風車も象さんも余裕で見える。
細長い鳥かごのようなポールで開演前にダンサーさんのパフォーマンスがあるので、早めに劇場に着くことをおすすめ。
ただダンサーさんが出てきたら撮影は禁止。
この度自分の前の席のお客さんが象側のダンサーさんの写真を撮りまくっていた。禁止って知らなかったのかな?
一枚程度なら見逃しだったろうけど、あまりに酷いのでダンサーさんから指差し注意されていた。
それでも止めなかったので劇場係員の方がとんできた。

一度は座ってみたいカンカンシートはこんな感じ。完全にステージに囲まれる訳でなく出入口はあるのね。
自分は閉所恐怖気味なのでこれならいけそう。(Xanaduみたいなステージ席はまずダメなもので)
ただ俳優さんを間近で観られるけど、いろいろ死角も多そうだよね。数度目の観劇ならいいかも。
帝劇ではこの席作られるのかな? まずチケット争奪戦で無理だろうけど。
 
さて本日は二度めの観劇、しかも良席でいろいろ観られる余裕があった。
以下しつこくレビューしていくよ!(ネタバレあり)
 
Welcome To Moulin Rouge!
華やかなナンバー。先陣を切るのは四人の歌姫の一人アラビア(Tasia Jungbauer)。声量が半端ない。
東宝のオーディションだとミステリアスな役どころとあったけど、よく笑顔をみせるし明るくて性格よさそう。
ショコラ役のJacqueline B. Arnoldさんは抜群の安定感。この役を日本で演じる女優さんって現在一人しか思い浮かばないけど、新しい人を発掘するのかな?
トランスのベビードール(Jeigh Madjus)は、Let's Danceのところで男性ダンサーを大勢率いて踊るところが可愛い。

Nature Boy
映画ではお茶目なおじさんだったトゥールーズ(Bobby Daye)がクリスチャンを導く賢人になっている。
愛し愛されることこそこの世で一番素晴らしいことという言葉の影に、サティーンへの報われない想いが隠されていることが切ない。
二幕になるけど、トゥールーズが病が進行したサティーンに「I will make you immortal」と制作中の芝居を最高のものにすると誓うシーンがあった。
 
そうなんだよね。役者さんの命は残念ながら限りがあるけれど、その生み出した感動は観客の心に残って余波を発し続ける。まさに不朽の存在。
そのトゥルーズに「My genius」と返すサティーン。男女の絆はなくても尊い二人の関係にじわりときた。
 
Elephant Love Medley
一幕ラストでフライングでくるくるするのって前任者はKyleくんだったんだよね...。
今の俳優さんには申し訳ないけど、開演前の象サイドのパフォーマンスもこのシーンもKyleくんに補正して見ていました。
(2020年観劇をつぶした憎きコロナ! あと推しは観られるときに見ねば!!)
 
Backstage Romance
CDを聞いていたときはKiss Me Kateみたいに完全にダンサーさんたちだけのナンバーかと思いきや、一目をしのんで逢瀬を重ねるクリスチャンとサティーンの見せ場だったのね。見ていて胸がいたい。
パンデミック最中、Kyle Brownくんがオンラインダンス教室でここのアンサンブルの振付を手ほどきしてくれたことがありました。
(5,6,7,8からアイウォンチュアラブまでのくだり)
メガヒヨも見学参加したけど深夜じゃなきゃ一緒に踊りたかった!!
今から思えば貴重な機会! メジャーリーグの選手がオンラインで野球教室してくれるようなものだものね。
 
Only Girl In A Material World
映画だと三枚目みたいだった公爵がかなりの切れ者だった。
日本だとジャベールを演じているような役者さんがキャスティングされるんじゃないかな?
サティーンがアンサンブル男性らにリフトされながらドレスのファスナーを下されてしまう所もドキドキだった。
これはサティーンはある程度成熟した女優さんに演じてほしいなぁ。頂点に立つ女性の自己犠牲だから。
少女めいた女優さんだとロリータというか犯罪の匂いになって落ち着いて見ていられない。
 
Chandelier
Green Fairyの瓶が出てきた途端に観客大爆笑!!
映画だと冒頭でしょーもないボヘミアンの描写で描かれる、お笑いポイントのラリった面々と緑の妖精。
舞台では、クリスチャンが思い詰めすぎてサティーンを幻にまで見てしまう切ないシーンになっている。
ブルーフェアリーもそうだけど、大人の女性が妖精の羽根を背負っているのってセクシーだよね。
 
Crazy Rolling
映画のShow Must Go Onに相当するナンバー。
クリスチャンのぶち切れが怖い。
映画も相当だったけど、サティーンの寿命を削りまくりですな。
 
More More More!
観客も一緒に歌って大盛り上がりのアンコール。
一日目はマスクなしに歌いまくるお客さん達にドン引きしていたメガヒヨ。陰性証明を勝ち取って帰りの飛行機が確保された今夜は歌いまくり。
Broadwayの観客は上演中は役者さんから煽られない限り手拍子などはせずに、アンコールで思う存分盛り上がっている。
 
これ来年の東宝版だとどうするんだろね。客席の歌唱はまだ解禁できなさそう。
理想は上演中は手拍子を自粛要請して、このシーンでのみ解禁にすることですな。
 



大ラスはジドラーが仕込み杖で〇〇して、会場はハート型の紙吹雪が降りまくる。
SIXでも感じたけど、やっぱり紙吹雪はいいね。テンションが上がる。
 
自分がこの作品を気に入ってリピートしたことをKyleくんも喜んでくれたみたい。
SNSでMoulin Rouge!に関する写真にイイネを多くくれたので。
確かにワークショップとトライアウトから関わった作品だからより思い入れがあるのだろうね。
いつになるか分からないけど次回のBroadway旅行でもこの作品を観たいので、末永くロングランして欲しいのであった。